中学校の出席日数と進学への影響|内申書と不登校生の受験対策

お子さんが学校に行けない日々が続くと、保護者の方は「高校受験はどうなるのだろう」と不安になりますよね。特に出席日数や内申書のことが心配で、夜も眠れない思いをされている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、不登校が高校受験に与える影響と、具体的な対策方法について、寄り添いながらお伝えしていきます。

目次

出席日数は高校受験にどう影響するのか

中学校の出席日数と進学への影響|内申書と受験対策

内申書における出席日数の扱い

中学校の内申書には、出席日数が記載されます。多くの公立高校では、内申点が合否判定の重要な要素となっており、これまで欠席日数が多いと不利になる可能性があったことは事実です。

ただし、ここで知っておいていただきたいのは、すべての高校が一律に出席日数だけで判断するわけではないということです。さらに、少子化の影響や不登校に対する理解の高まりから、毎年、欠席の理由や本人の状況を総合的に見るように姿勢の柔軟さが変化してきている高校が増えています。

欠席日数の目安

一般的に、年間30日以上の欠席がある場合は「長期欠席」として注目される傾向にありますが、これはあくまで目安です。欠席の数だけで不合格にしない学校が増えてきている一方、重要なのは、欠席している間のお子さんの過ごし方や、高校への進学意欲・動機、今後の可能性がどう伝わるかです。

不登校でも受験できる選択肢はある

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内申点を重視しない高校を探す

前述含め、近年、多様な生徒を受け入れようとする高校が増えています。私立高校の中には、内申書よりも当日の試験結果を重視する学校、面接や作文で人物評価を行う学校、中学校時代の過ごし方(不登校経験があったとしても、例えば代わりに毎日フリースクールに通い英語検定や漢字検定を取得した、など)を参考に、頑張ってきたことや努力を評価し、受け入れに積極的な学校が増えてきています

また公立高校でも、定時制高校や通信制高校は出席日数に寛容なところが多く、一部の全日制高校では特別な配慮をしてくれるケースもあります。

私立高校を検討する際のポイント
・入試要項で「当日試験重視」「面接重視」と明記されているか確認する
・学校説明会で不登校経験者の受け入れ実績を聞く
・個別相談会を活用して、具体的な受験方法を確認する
・複数校を比較検討し、選択肢を広げる

公立高校(定時制・通信制)のポイント
・定時制は夜間だけでなく、昼間や三部制など選択肢が多様化している
・通信制は自分のペースで学習でき、スクーリングも週1〜5日と幅がある
・公立の場合、学費が比較的安いため経済的負担が少ない
・サポート体制が整っている学校が増えている

チャレンジ受験という選択

内申点が厳しくても、当日の試験で高得点を取れば合格できる高校もあります。特に私立高校の一般入試では、学力試験の結果を最優先する学校が少なくありません。学校に行けていない期間があっても、学力をしっかり維持していれば、十分に挑戦できる道があるのです。

チャレンジ受験を成功させるポイント
・過去問を繰り返し解いて、出題傾向を把握する
・得意科目を伸ばして、確実に得点源を作る
・模擬試験を受けて、自分の実力と立ち位置を確認する
・受験当日の時間配分や解答順序を事前にシミュレーションする
・複数の受験機会を確保し、本命校以外も視野に入れる

今からできる具体的な対策

中学校の出席日数と進学への影響|内申書と受験対策

1. 学力の維持・向上を目指す

学校に行けていなくても、学習を続けることは可能です。オンライン学習サービス(スタディサプリ、すららなど)を活用したり、家庭教師や個別指導塾を利用したり、通信教育教材で学んだり、フリースクールで学習したりと、さまざまな方法があります。

学校に行けなくても学習意欲があることを示せれば、受験でも評価につながります。完璧を目指す必要はありません。お子さんのペースで、少しずつでも学習を続けていくことが大切です。

2. 出席扱いになる制度を活用する

文部科学省の通知により、一定の条件を満たせば、学校外での活動が出席扱いになる場合があります。具体的には、保護者と学校の連携・協力があること、ICT等を活用した学習活動であること、訪問等による対面指導が定期的に行われていること、学習の理解度を踏まえた計画的な学習プログラムであることなどが条件です。

フリースクールやオンライン学習で出席扱いになるケースもありますので、学校に相談してみましょう。出席日数が増えれば、内申書の印象も変わってきます。

3. 受験校の選び方

情報収集がとても重要です。各高校のホームページで「入試要項」を確認し、学校説明会に参加して個別に相談してみましょう。教育委員会に不登校生徒の受け入れについて問い合わせたり、不登校支援団体やフリースクールでそのスクールからの進路実績など様々な情報を得たりすることも有効です。

多くの学校が、個別の相談に応じてくれます。「不登校だから無理」と諦める前に、まずは問い合わせてみることをおすすめします。意外にも、温かく迎え入れてくれる学校は少なくありません。

4. 調査書(内申書)の補完

学校によっては、自己推薦書や活動報告書(フリースクールでの活動など)、志望理由書、保護者からの説明文書などを提出することで、不登校の状況を説明できる場合があります。

これらは、お子さんの現在の状況や意欲を伝える大切な機会になります。学校に行けていない期間に、どんな思いで過ごし、何を学び、どう成長してきたのか。そうした物語を丁寧に伝えることで、数字では見えない部分を理解してもらえる可能性があります。

中学校との連携も大切に

不登校であっても、中学校との関係を完全に断つ必要はありません。学校側は、定期的な家庭訪問、別室登校の提案、定期テストだけの参加、進路相談など、さまざまな形でサポートしてくれる可能性があります。

担任の先生やスクールカウンセラー、教育相談担当の先生と定期的に連絡を取り、お子さんの状況を共有しておくことで、内申書にも前向きな記載をしてもらえる可能性が高まります。お子さんが少しずつでも前に進もうとしている姿勢を、学校側に伝え続けることが大切です。

大切なのはお子さんのペース

中学校の出席日数と進学への影響|内申書と受験対策

高校受験は確かに大きなハードルです。しかし、それ以上に大切なのは、お子さんが自分のペースで前に進んでいけることです。

今は焦らず、お子さんの心の回復を第一に考えながら、できる準備を少しずつ進めていきましょう。高校進学のルートは一つではありません。全日制がだめなら通信制や定時制もあります。高校卒業程度認定試験という道もあります

不登校は決して人生の終わりではありません。むしろ、この経験を通じて得られる強さや優しさは、お子さんの大きな財産になるはずです。不登校の経験があるからこそ、人の痛みがわかる。思うようにいかない時期を乗り越えたからこそ、本当の強さが身につく。そう信じて、お子さんを支えていってください。

まとめ

出席日数は高校受験に影響しますが、それがすべてではありません。内申点を重視しない高校や、不登校に理解のある学校は確実に存在します。自宅学習でも学力維持は可能で、出席扱いになる制度も活用できます。受験校選びでは、積極的に情報収集と個別相談を行い、中学校との連携を保ちながら前向きな進路を模索していくことが大切です。

一人で悩まず、学校や支援機関、同じ経験をした保護者のコミュニティなど、周りのサポートも積極的に活用してください。お子さんの未来は、まだまだ可能性に満ちています。一歩ずつ、一緒に進んでいきましょう。

寄稿者

茨木 泰丈

公益社団法人学校教育開発研究所 事務局長・理事
2024年・名古屋市 「今後の不登校施策に関する有識者等会議」委員、2025年・東広島市「雲 (クラウド)の上で~思春期の子育てを語り合う集い~」 講師、YouTube 「フリースクールで頑張る先生のための応援チャンネル」運営者、子どものための「学校適応感尺度」 アセス コーディネーター、学習心理支援カウンセラー(専門課程)修了。国家資格キャリアコンサルタント

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