不登校になりやすい中学生の特徴と早期発見のポイント

中学生のお子さんが学校に行きたがらない様子を見て、「これって不登校のサインなのかな?」と不安に思う保護者の方も多いのではないでしょうか。不登校は決して珍しいことではなく、例えば2025年度の文部科学省の調査で見れば、中学生の約17人に1人程度が不登校の状況にあるとされています(あくまで統計調査なので、細かい数値を見るよりも、だいたいクラスに2人くらい、という感覚でイメージすると良いと思います)。しかし、早期にサインを見つけ、適切な対応をすることで、子どもたちが抱える困難を軽減できる可能性があります。
この記事では、不登校になりやすい中学生の特徴や、保護者が注意すべきサイン、そして早期対応のポイントについてやさしく解説していきます。
不登校になりやすい中学生の特徴
不登校になる背景は子どもによってさまざまですが、いくつか共通する特徴が見られます。以下のような傾向がある場合、特に注意が必要です。

内向的で自己主張が苦手
周囲とのコミュニケーションが苦手で、自分の気持ちを言葉にするのが難しい子どもは、不登校になりやすい傾向があります。例えば、友人関係のトラブルがあっても誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまうことがあります。
完璧主義で失敗を恐れる
「テストで良い点を取らなければならない」「みんなに迷惑をかけたくない」といったプレッシャーを感じやすい子どもも、不登校状態に陥るリスクが高いと思われます。失敗を過度に恐れるあまり、学校生活が負担になってしまうことがあります。

感受性が強くストレスを感じやすい
環境の変化や小さな出来事に敏感で、ストレスを抱え込みやすい子どもも要注意です。特に小学校から中学校への進学時期は、学習内容が難しくなることや新しい友人関係など、ストレス要因が増えるため、学校に通い続けることが困難になります。
身体的な不調を訴えることが多い
起立性調節障害や慢性的な疲労感など、身体的な要因が絡むケースもあります。朝起きられない、頭痛や腹痛を頻繁に訴える場合は、身体的な問題だけでなく、心理的なストレスも影響している可能性があります。
保護者が注意すべきサイン
不登校の兆候は、日常の中で少しずつ現れることが多いです。以下のようなサインが見られたら、注意深く見守ることが大切です。

朝、学校に行く準備が遅くなる
学校に行く時間が近づくと、急に「お腹が痛い」「気持ちが悪い」と言い出したり、準備を遅らせる行動が増えることがあります。朝食を食べる時間が長くなったり、食事量が減ることもあります。また、親からすると、「何でそんなことを理由に?」「くだらない」と聞こえてしまうような理由を並べて表現することもあります。
学校の話題を避ける
学校での出来事について話したがらない、または質問しても答えを濁す場合、学校で何かしらのストレスを感じている可能性があります。

趣味や興味を失う
以前は楽しんでいた趣味や遊びに興味を示さなくなり、家でぼんやり過ごす時間が増える場合も、不登校の兆候の一つです。
夜更かしや昼夜逆転の生活
嫌なこと、しんどいことの本質に本人が気づいていないことも多く、逃げ込むかのようにゲームや動画など、刺激的なものに注意を向け時間をやり過ごすことが増えたりします。結果、夜更かしが増えたり、昼夜逆転の生活リズムになる場合もあります。すると、通常の生活・学校生活に戻ることがますます難しくなります。平易に言えば、心理的なストレスが原因である、と言えるでしょう。
早期発見と対応のポイント
不登校の兆候に気づいた場合、早期に対応することで状況を改善できる可能性があります。以下のポイントを参考にしてみてください。

子どもの気持ちに寄り添う
「どうして学校に行かないの?」と問い詰めるのではなく、「最近学校で何か困っていることはない?」「嫌だな、と思うことってないの?」と優しく声をかけてみましょう。
子どもたちは真面目です。「嫌だな」と思うこと自体がいけないこと、と思う子にとっては、大人側から「嫌だと思うこともある」という姿勢で寄り添ってもらうと、心を開きやすい雰囲気だな、と感じやすくなります。
無理に登校を促さない
無理に学校に行かせようとすると、かえって子どもの心に負担をかけてしまうことがあります。不登校は一時的な状況であることが多いため、焦らず見守ることが重要です。ただし、行っていない時間の過ごし方や生活・衛生・健康面については、保護者として子どもに主張して良いと思います。健康に成長してほしい、元気でいてほしいと願うことは、子どもに反発されようが、言い続けて良いことだと思います。
専門家に相談する
不登校の長期化を防ぐ方法として、保護者のリラックス、ということが挙げられます。 学校を休む、ということは子どもにとっても大きなことです。その際に、とんでもないことをしてしまっている、と子どもが感じるか、たいしたことはなくて一過性のものだ、と感じるのかは、保護者の表情や雰囲気を見て判断している場合が多いです。よって、ご自身としては小さなな悩み、と過小評価してしまいそうなことだ思っても、学校のスクールカウンセラーや教育相談機関、フリースクールなど、専門家を頼ってみるのも一つの方法です。第三者の視点からアドバイスを受けることで、より適切な対応が見つかることがあります。
家庭での安心感を大切にする
子どもにとって家庭は「心の拠り所」です。家庭内で安心して過ごせる環境を整えることで、子どもが少しずつ元気を取り戻すきっかけになります。保護者の雰囲気も「環境」とするならば、気分転換や、部屋の掃除など、支援者側の気持ちの環境を整えるよう意識してみることは大切です。
不登校は「困難(援助要請)のサイン」
不登校は、子どもが何らかの困難を抱えているサインです。それを「問題行動」と捉えるのではなく、「助けを求める声」として受け止めることが大切です。保護者としてできることは、子どもの気持ちに寄り添い、安心して話せる環境を作ること。そして、必要に応じて専門家の力を借りることです。
学校に行きたくない気持ち、会社に行きたくない気持ちは決して「特別なこと」ではありません。皆さんや、皆さんの周りでもそうしたことはありませんか?統計データを見ると、現在では多くの子どもたちが同じような困難を抱えています。だからこそ、周囲の理解と支援が欠かせません。
まとめ:不登校予防は「気づき」から始まる
不登校を予防するためには、早期にサインを見つけ、適切に対応することが重要です。子どもの小さな変化に気づき、寄り添いながら対話を重ねることで、子どもが抱える困難を軽減することができます。
もしお子さんが不登校の兆候を見せたとしても、焦らずに向き合ってください。そして、一人で抱え込まず、専門家や学校の力を借りながら、子どもと一緒に解決の道を探していきましょう。

