いじめが原因の不登校|見抜き方と適切な対応方法

もしお子さんが学校に行きたがらない、または行けない状況が続いている不登校の場合、親御さんとしては「何が原因なのだろう」と心配になることも多いのではないでしょうか。特に、いじめが原因の場合は、子どもが自分から話してくれないことが多く、見えにくい問題として深刻化しやすい特徴があります。

この記事では、いじめによる不登校の特徴や発見のポイント、そして適切な対応方法について、具体例を挙げながらお話しします。お子さんの気持ちに寄り添いながら、適切なサポートを行うためのヒントになれば幸いです。

目次

 いじめによる不登校の特徴

いじめが原因で不登校になる場合、そのサインは表面的にはわかりにくいことが多いです。特に近年では、直接的な暴力だけでなく、ネットやSNSを介した「見えないいじめ」が増えています。以下は、いじめが原因で不登校になる際によく見られる特徴です。

 1. 身体的な症状が現れる

いじめを受けている子どもは、心理的なストレスが身体に影響を及ぼすことがあります。例えば、以下のような症状が見られることがあります。

  • 頭痛や腹痛を頻繁に訴える
  • 朝になると体調が悪くなる
  • 食欲不振や過食
  • 睡眠障害(眠れない、夜中に目が覚める)
  • なんだかイライラしていること、暗い表情でいることが多い。

これらの症状が見られる場合、単なる体調不良と片付けるのではなく、心の状態にも目を向けることが重要です。

 2. 学校や友人の話を避ける

いじめを受けている子どもは、学校や友人の話題を避ける傾向があります。例えば、

  • 学校での出来事を話したがらない
  • 友人関係について質問すると曖昧な返事をする
  • 以前は楽しそうに学校の話をしていたのに、急に話さなくなる

このような変化が見られた場合、注意が必要です。

 3. ネットいじめの影響

近年増加しているのが、ネットを介したいじめです。オンラインゲーム中の言葉遣いや、グループLINEでの無視、ブロックなどが原因でいじめが深刻化するケースもあります。これらは親の目に触れにくいため、以下のようなサインを見逃さないようにしましょう。

  • スマホやパソコンを触る時間が極端に増える、または減る
  • ネット利用後に機嫌が悪くなる
  • SNSやゲームのアカウントを突然削除する

ネットいじめは、子どもが「デジタル空間」という見えない場所で孤立し、深く傷ついている可能性があります。

 いじめを見抜くためのポイント

いじめは、子どもが自分から話すことをためらう場合が多いです。そのため、親としては日常の中で小さな変化に気づくことが大切です。

 1. 子どもの様子を観察する

  • 表情や態度が変わっていないか
  • 学校に行く準備に時間がかかる、または嫌がる
  • 持ち物が壊れていたり、なくなったりしていないか

これらの変化は、いじめが背景にある可能性を示唆します。

 2. 子どもとの会話を大切にする

子どもが安心して話せる環境を作ることが重要です。「学校で何かあったの?」と直接聞くのではなく、「最近どう?」といった日常会話の中で、子どもの気持ちを引き出す工夫をしましょう。

 3. 学校や周囲との連携を図る

いじめの兆候がある場合、学校との連携が欠かせません。担任の先生やスクールカウンセラーに相談し、学校内での状況を確認することが大切です。

 いじめへの適切な対応方法

いじめが原因で不登校になった場合、親としてどのように対応すれば良いのでしょうか。以下のポイントを参考にしてください。

 1. 子どもの気持ちを受け止める

まずは、子どもの「気持ち」に寄り添い、話を聞くことが最優先です。「なぜ学校に行かないの?」と責めるのではなく、「どんなことがあったの?」と優しく問いかけてみましょう。語られた背景にある「気持ち(辛い、惨め、恥ずかしい、悔しい、悲しい など)」を「そうだとしたら、きっと〜〜よね」と代わりに言葉にするのも、良いかもしれません。

 2. 学校と協力して対応する

いじめの事実が確認できた場合、学校と協力して解決に向けた対応を進めましょう。具体的には、

  • 担任や校長に状況を報告する
  • スクールカウンセラーに相談する
  • 必要に応じて教育委員会に連絡する

学校側の対応が不十分な場合は、第三者機関(いじめ相談窓口など)を活用することも検討してください。

 3. ネットいじめにはリテラシー教育を

ネットいじめの場合、親子でインターネットリテラシーについて学ぶことが重要です。例えば、

  • SNSの使い方や危険性を話し合う
  • 子どもが困ったときに相談できる環境を整える
  • 必要に応じてフィルタリング機能を活用する

ネットいじめは見えにくい問題ですが、リテラシーを高めることは、現代の大人社会においても重要です。親が積極的に関わることで今、そして未来の被害を防ぐことができます。

 4. 学校以外の居場所を見つける

いじめが原因で学校に行けなくなった場合、無理に登校させることは逆効果になることがあります。少し気持ちが落ち着いてきたら、フリースクールや地域の支援団体など、学校以外の安心できる居場所を見つけることも選択肢の一つです。

 まとめ

いじめが原因で不登校になる場合、子どもは深く傷つき、親にさえ本音を話せないことがあります。だからこそ、普段の様子を観察し、子どもが安心して話せる環境を整えることが大切です。また、ネットいじめのように見えにくい問題にも目を向け、リテラシー教育や学校との連携を通じて適切に対応しましょう。

いじめは子どもにとって非常に辛い経験ですが、親や周囲のサポートがあれば乗り越えることができます。一人で抱え込まず、専門機関や学校と協力しながら、子どもの心に寄り添った対応を心がけてください。お子さんが安心して笑顔を取り戻せる日が来ることを心から願っています。

寄稿者

茨木 泰丈

公益社団法人学校教育開発研究所 事務局長・理事
2024年・名古屋市 「今後の不登校施策に関する有識者等会議」委員、2025年・東広島市「雲 (クラウド)の上で~思春期の子育てを語り合う集い~」 講師、YouTube 「フリースクールで頑張る先生のための応援チャンネル」運営者、子どものための「学校適応感尺度」 アセス コーディネーター、学習心理支援カウンセラー(専門課程)修了。国家資格キャリアコンサルタント

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